就農に対する適性
情報収集等の事前準備
研修等の準備状況
就農後の生活

就農に対する適性(7問)

Q1

「農業を生涯の仕事とする」という、強い意欲と意志がありますか。

アドバイス

就農(農業を始めること)までには、栽培技術の習得の他に、農地や機械の確保、あるいは、暮らす住宅の確保など、大変な手間と労力が必要で、思うように進まないこともあります。様々な課題を乗り越えて就農するためには、何よりも「農業を生涯の仕事とする」強い意志と、苦労を苦にしない忍耐力が必要です。

Q2

農業は肉体労働です。 健康・体力には自信があり、体を動かすことが好きですか。

アドバイス

農業は、豊かな自然の中で動植物を相手とする職業で、実際に行う作業はまさに肉体労働。心身ともに健康で体力を必要とする職業で、続けるには何よりも「体を動かすことが好き」であることが基本です。

Q3

他人とのお付き合いは、苦にしませんか。

アドバイス

農業は1人ではできません。特に、これから始める方は、経営が安定してからも多くの方とお付き合いをし、助けてもらわなければなりません。付き合いの範囲が広いと、役に立つ情報が入手できますし、特に、自分で販売したい方は、広い交友関係等のネットワークが大切です。

Q4

「就農」とは、会社をおこし経営者となるのと同じということを認識していますか。

アドバイス

就農とは、会社を興して社長(経営者)となる事と同じで、自分のやる気と能力、やり方次第で会社は大きく成長します。反面、作物は何をどれだけ作って、どこに売って収入を得るか。そのためには、資本(機械、施設、資材、資金等)・労力・販路の確保、それらの管理(マネジメント)など、栽培技術の習得とともに、経営者としての仕事と責務が発生します。

Q5

就農に向けた営農資金としての自己資金の用意はありますか。

アドバイス

就農準備に当たっては、資金不足で苦労することがあります。
個々の事情により異なりますが、ある程度の預貯金があることがベターです。
就農の初動的経費として、また、農業経営のランニング経費として、どれくらいの資金が必要なのか、入念に調べて、やり繰りを考えておく必要があります。
就農後も、営農資金の他に当面の生活費の用意も必要であります。

Q6

就農相談会や農業体験に参加したり、インターネットや情報誌・パンフレットなどを活用して、新規就農に関する情報を収集していますか。

アドバイス

就農前に必要な準備、承知しておかなければならない事柄など、事前に十分な情報収集と検討が必要です。大分県では東京・大阪・福岡などで、「新規就農相談会」を実施したり、短期間の「農業体験研修」を行っておりますので、是非参加してみてください。
その他、就農に関する情報については、インターネットや情報誌・パンフレットなども多く出ておりますので、活用して情報収集してください。

Q7

あなたが農業を行うことについて、ご家族は、農業の素晴らしさと厳しさの両面を理解した上で、同意をされていますか。

アドバイス

農業は、1人よりも2人以上での作業の方が、格段に効率が良く、また精神的に折れたときなどは、お互いに支え合うことができます。
特に妻帯者の方は、ご自身とともにパートナーの方が、農業の素晴らしさと厳しさをよく理解して同意されることが大切で、夫婦が協力して農業に取り組むことが理想的です。
また、農業生産が軌道に乗るまでは、パートナーが勤めに出て生活費を得ることも考える必要がある場合があります。就農を決断される前には、住まいや子供さんの教育など生活設計も合わせて、パートナーと十分に話し合って下さい。

情報収集等の事前準備(7問)

Q8

どのような農業経営を行いたいか、作る作物や栽培面積規模、就農地の希望など、ある程度決まっていますか。

アドバイス

就農に向けては、作物の栽培にあった地域、地域に合った作物という観点で作る作物を選択することが重要ですので、県内の地域毎の主な作物を調べることも、就農地と作物を決めるためには大切なことです。また、就農の前には、栽培技術の研修をしっかりと行うことが必須ですが、研修の前には、農業体験等を通じて作物をある程度絞る必要があります。
大分県各振興局、市町村では、地域の主な作物や就農地、研修先などについて、就農相談を行っております(事前に連絡をいただけるとスムーズに対応できます)。

Q9

自分の希望や目標を、今後、どの様な道筋や手順で実現していくのか、就農計画(イメージ)を持っていますか。

アドバイス

収集した情報を基に、イメージしている計画やそのための準備事項を、自分なりに具体的にまとめてみましょう(希望の作物、就農の場所、就農の時期、必要な資金、就農相談、研修 など)。

Q10

栽培したい作物がどのくらい労働力が必要かや一人当りの栽培面積(上限の目安)を知っていますか。

アドバイス

品目や栽培方法等により、所得が異なります。

Q11

栽培したい作物の販売額が、およそいくらくらいか、所得はいくらになるか知っていますか。

アドバイス

品目や栽培方法等により、所得が異なります。

Q12

農産物の販売について、どのような販売先があるか知っていますか。

アドバイス

一般的に、JA等を通した市場出荷や、直売所、宅配便の直接販売などがあります。
市場出荷では、JA、全農、市場などで手数料が掛かるほか、出荷用のダンボール代や輸送の経費なども掛かりますので、市場価格の30~50%くらいが所得となります。
一方、直売所は、通常、出荷登録を行い、販売手数料を払って商品として置いてもらいます。また、宅配便などを利用した直接販売は、自らがコストを計算した上での価格設定と、何よりも顧客の獲得と販売代金の回収が大きな課題となります。

Q13

就農希望地を選ぶにあたっては、家族で現地を訪れていますか。

アドバイス

農地の状況、栽培されている作物などとともに、店舗、医療期間、学校などの住環境など、事前に確認が必要なことがたくさんあります。是非、事前に現地を訪れ、チェックしてください。

Q14

マニュアル車を運転できる自動車運転免許と、自家用車を持っていますか。

アドバイス

農業では軽トラックやトラクターなど、機械作業には運転免許が必須です。

研修等の準備状況(6問)

Q15

農家・農業法人等で、栽培したい作物の技術と知識を身につけるための、本格的な研修(1年間以上)を経験していますか。 あるいは研修予定が決まっていますか。

アドバイス

本格的な研修を受けていない場合は、基礎的な研修、農家や農業法人での実践的な研修等を必ず受けるようにしましょう。栽培技術の習得には、「1年1作」を基本に考えると、2年間程度の時間が掛かります。
研修先については、大分県が開催している「就農相談会」でご相談いただくか、大分県各振興局、市町村にご相談ください。

Q16

就農希望地で就農にあたって親身になって支援してくれる世話役的な人がいますか。

アドバイス

就農希望地で相談できる人がいると、住居、農地の確保や栽培技術の習得についても、自分だけで準備するよりもスムーズに就農準備ができます。
希望地での就農に向けては、まずは大分県各振興局や市町村の新規就農担当にご相談ください。各振興局と市町村役場、JA、あるいはベテラン農家と連携・役割分担して支援をいたします。

Q17

就農前の研修制度、研修期間や生活費がどのくらい必要か知っていますか。

アドバイス

大分県が行っている研修制度「就農学校・ファーマーズスクール」では、ベテラン農家に就農コーチとして研修生を受け入れていただき、研修期間中、栽培技術の指導をお願いしています。また、技術研修のほかに、市町村やJA等において、住宅・農地の確保などの様々な支援を行っています。
研修に必要な時間(期間)は、「1年1作」を基本とすると、2年間程度は必要です。また、研修中は、収入がわずかになるか、無くなるケースが通常です。
就農後の営農資金の他に、研修中や就農直後のご自分の生活費が年間どのくらい必要か、合わせて現時点での蓄えも確認してみましょう。

Q18

希望する条件に合った農地の確保が難しいことを知っていますか。

アドバイス

形状、大きさ、水利、土質など、条件の良い農地には空きが無く、傾斜地や小区画の農地、栽培条件が良くない農地しか空いていない場所も多数あります。

Q19

就農のために資金がどの程度必要か、ご自分で計算し、どのように調達するのか、資金計画を検討しましたか。

アドバイス

就農に向けて必要な費用として、どの程度の額になるのか、生活面と、農業経営に必要な初期投資(肥料代、農業機械代、施設代等)を計算し、その資金をどのように用意するのか検討してみましょう。もし、制度資金(借入金)を利用する場合は返済を伴うので、慎重に検討が必要です。計算の仕方など分からない方は、就農相談の際にご相談ください。

Q20

研修や就農のために、制度資金(借入金)等を利用する場合、保証人を引き受けてもらえる方はいますか。

アドバイス

研修中や農業経営の資金として、制度資金等を借り入れる場合に、預貯金が少なく、不動産等の担保がない場合は、必ず保証人が必要になりますので、あらかじめ承知しておいてください。

就農後の生活(2問)

Q21

農村で生活する場合、地域の人たちとのコミュニケーションが大切なことは知っていますか。

アドバイス

農村での農家同士、住民同士のつきあいは都会に比べ深いものがあります。集落の外から移り住んできた方は「どんな人なのか」と特に興味津々です。はやく地域に溶け込むためにも自分から積極的に挨拶をしたり、コミュニケーションをとることが、その地で農業をして生活していくコツでもあります。

Q22

集落の行事(草刈り、消防団、お祭り、川さらい)などには積極的に参加できますか。

アドバイス

農村では古くからの伝統が残っており、お祭りの運営、用水路の清掃活動、公民館活動、集落の会合など、地域内での行事が多数あり、また、地域の消防団への加入も頼まれます。
農村で生活する上では、地域の人と上手に暮らしていくためには、コミュニケーションとともに行事や作業に積極的に参加してみる気持ちを持つ事が大切です。
地域でがんばって農業をしたり、地域に溶け込んで生活をしていると「農地を借りてもらいたい」といった相談もくることがよくあります。